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先に結論:税金の滞納がある状態でファクタリングを申し込めるかどうかは、各社が自社サイトに書いている表記がすべてで、当サイトは審査の可否を判断できません。一方で、滞納そのものを放置したときに売掛金に何が起きるかは、国税徴収法という法律に条文で書いてあります。この記事は、①各社の公式サイトの表記(原文のまま・記載が無い会社は「記載なし」)と、②国税徴収法62条=売掛金(債権)の差押えの仕組みの2点だけを、e-Gov法令検索と国税庁の公表情報で確認した記録です。審査基準の推測や通過率は書きません。
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1. 条文の位置=「滞納処分」の中に、売掛金を差し押さえる款がある
国税徴収法をe-Gov法令検索で開くと、62条は第五章 滞納処分 / 第一節 財産の差押 / 第三款 債権の差押に置かれ、見出しは「差押えの手続及び効力発生時期」です。ここでいう「債権」に、取引先に対する売掛金が含まれます(売掛金そのものの整理は売掛債権とはの記事へ)。条文は次のとおりです(2026年9月12日にe-Gov法令検索で確認)。
| 項 | 条文の定め(原文の要旨) |
|---|---|
| 62条1項 | 債権の差押えは、第三債務者に対する債権差押通知書の送達により行う(電子記録債権を除く) |
| 62条2項 | 徴収職員は、債権を差し押えるときは、債務者に対しその履行を、滞納者に対し債権の取立その他の処分を禁じなければならない |
| 62条3項 | 差押えの効力は、債権差押通知書が第三債務者に送達された時に生ずる |
| 62条4項 | 移転につき登録を要する債権を差し押えたときは、差押の登録を関係機関に嘱託しなければならない |
重いのは2項です。条文が定めているのは、徴収職員が滞納者に対し「債権の取立その他の処分」を禁じなければならないというところまでで、売掛金の譲渡がこの「処分」に含まれるかどうかは、本記事では断定しません。ただし国税庁の国税徴収法基本通達(第62条関係32「債権の譲渡等」)は、「第三債務者が債権の差押えを受けたときは、滞納者が被差押債権の譲渡、免除、期限の猶予等をしても、第三債務者は、これらの行為にかかわらず、差押債権者に弁済をしなければならない(法第62条第2項参照)」としています。なお、でんさい(電子記録債権)は62条ではなく62条の2が適用され、第三債務者に加えて電子債権記録機関にも債権差押通知書が送達されます(でんさいと手形の記事)。
e-Gov法令検索 国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第62条・第62条の2 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147/国税庁 国税徴収法基本通達 第62条関係(差押えの手続及び効力発生時期) https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/chosyu/05/01/03/062/01.htm(いずれも2026年9月12日確認)
2. 差押えに至るまでの原則の順番(督促状→10日→差押え)と、その例外
原則として、いきなり差し押さえられるわけではなく、法律が順番を決めています。国税通則法37条2項は、督促状は「その国税の納期限から五十日以内に発するものとする」と定め、同40条は、督促に係る国税が「その督促状を発した日から起算して十日を経過した日までに完納されない場合」、繰上請求に係る国税が「その請求に係る期限までに完納されない場合」、および「その他国税徴収法に定める場合」に滞納処分を行なうと定めています。
受ける側の規定が国税徴収法47条1項です。1号は「滞納者が督促を受け、その督促に係る国税をその督促状を発した日から起算して十日を経過した日までに完納しないとき」、2号は「納税者が国税通則法第三十七条第一項各号(督促)に掲げる国税をその納期限(繰上請求がされた国税については、当該請求に係る期限)までに完納しないとき」で、これらに該当するとき徴収職員は財産を差し押えなければならないと書かれています(「できる」ではなく義務の形です)。つまり2号は、督促を経ないで差押えの要件が満たされる場合を定めた規定です。
例外もあります。47条2項は、「国税の納期限後前項第一号に規定する十日を経過した日までに、督促を受けた滞納者につき国税通則法第三十八条第一項各号(繰上請求)の一に該当する事実が生じたときは、徴収職員は、直ちにその財産を差し押えることができる」と定めており、繰上請求の事由が生じたときは十日の経過を待たずに差し押えることができます。
ただし歯止めもあります。48条1項は「国税を徴収するために必要な財産以外の財産は、差し押えることができない」(超過差押の禁止)と定め、63条は債権について「その全額を差し押えなければならない。ただし、その全額を差し押える必要がないと認めるときは、その一部を差し押えることができる」としています。差し押さえられた債権は67条1項により徴収職員が取り立て、3項で取り立てた限度で滞納者から国税を徴収したものとみなされます。
e-Gov法令検索 国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第37条・第40条 https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000066/国税徴収法 第47条・第48条・第63条・第67条 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147(いずれも2026年9月12日確認)
3. 社会保険料の滞納も同じ仕組みに乗る
厚生年金保険料などについても、厚生年金保険法89条が「保険料その他この法律の規定による徴収金は、この法律に別段の規定があるものを除き、国税徴収の例により徴収する」と定め、同86条5項は一定の場合に「国税滞納処分の例によつて」処分できるとしています。督促状で指定する期限は「督促状を発する日から起算して十日以上を経過した日」(86条4項)です。売掛金に何が起きるかという点では、税金と社会保険料を分けて考える必要はありません。
e-Gov法令検索 厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第86条・第89条 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115(2026年9月12日確認)
4. 各社の公式サイトは「税金の滞納」について何と書いているか
ここからは法律ではなく、各社が自社サイトに書いている表記です。2026年9月12日に公式サイトで実際に読めた文言だけを載せ、記載が見つからなかった会社は「記載なし」と書いています。いずれも同社サイトの表記であり、当サイトは内容を保証しません。また、審査の結果を示すものでもありません。
| サービス | 公式サイトの表記(2026年9月12日確認) |
|---|---|
| ベストファクター(確認記録) | よくある質問「税金の滞納があるのですが、利用できますか?」に対し「はい、ご利用いただけます。審査時に信用情報開示請求等は行いません。」 |
| ビートレーディング(確認記録) | よくある質問「赤字・税金滞納がありますが、利用できますか?」に対し「ご利用いただけます。ファクタリングの審査では売掛先・売掛金の信用力が重要視されるため、利用される方に赤字・税金滞納があったとしても利用可能です。」 |
| アクセルファクター(確認記録) | サービス一覧に「税金、社会保険料の猶予支援」の項目があり、本文に「また税金・社会保険料についても専門家のアドバイスのもと交渉し、支払いを猶予することができる場合があります。」。買取の可否ではなく猶予の支援についての表記です |
| QuQuMo(確認記録) | 公式サイト本文・よくある質問6問を通読したが、税金の滞納についての記載なし |
| PAYTODAY(確認記録) | よくある質問ページを通読したが、税金の滞納についての記載なし(同ページの手数料の表記は「1%からで上限9.5%です。」) |
会社そのものの実在確認(法人番号・登記上の所在地・変更履歴の読み方)は運営会社チェックツールと契約前チェックリストで手順にしています。
ベストファクター公式サイト よくある質問 https://bestfactor.jp/faq//ビートレーディング公式サイト よくある質問 https://betrading.jp/service/faq/25//アクセルファクター公式サイト サービス https://accelfacter.co.jp/service//QuQuMo公式サイト https://ququmo.net//PAYTODAY公式サイト よくある質問 https://paytoday.jp/faq(いずれも2026年9月12日確認)
5. 滞納を続けたときの金額的なコスト=延滞税の割合
国税庁のタックスアンサーNo.9205([令和8年4月1日現在法令等])によると、延滞税は法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて自動的に課され、割合は納期限の翌日から2か月を境に変わります。原則は年7.3%と年14.6%ですが、特例の計算により令和8年1月1日から令和8年12月31日までの期間は、2か月までが年2.8%、2か月を経過した日以後が年9.1%と公表されています。
ファクタリングの手数料も、期間で割り戻すと年率としては大きくなります。年率換算ツールで同じ土俵の数字に直してから比べてください(手数料水準の一般論は手数料相場の記事、2社間と3社間の違いは2社間・3社間の記事)。
国税庁 タックスアンサー No.9205 延滞税について https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/osirase/9205.htm(2026年9月12日確認)
6. 換価(売却)を待ってもらう制度=換価の猶予(国税徴収法151条の2)
売掛金を売るかどうかの前に、滞納そのものに対する制度があります。ただし名前のとおり、151条の2が猶予するのは「滞納処分による財産の換価」=差し押さえた財産を売ること(売却)であって、差押えそのものではありません。差押えの猶予・解除は、別の規定である152条2項に置かれています。
国税徴収法151条の2第1項は、国税を一時に納付することにより事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがあると認められる場合で、納税について誠実な意思を有すると認められるときに、納期限から六月以内にされた申請に基づき、一年以内の期間を限り、滞納処分による財産の換価を猶予することができる、と定めています。そのうえで152条2項は、猶予をする場合に必要と認めるときは、差押えにより滞納者の事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがある財産の差押えを猶予し、又は解除することができるとしています(いずれも「することができる」規定で、申請すれば認められるという意味ではありません)。
手続の入口は国税庁の「G-9 換価の猶予の申請手続」にまとまっています(2026年9月12日確認)。
| 項目 | 国税庁ページの記載 |
|---|---|
| 概要 | 国税を一時に納付することにより事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがある場合に、申請に基づき換価の猶予を受けるときの手続 |
| 提出時期 | 納付すべき国税の納期限から6か月以内 |
| 添付書類 | 「財産収支状況書」1部(猶予を受けようとする金額が100万円を超える場合は「財産目録」及び「収支の明細書」各1部)、担保提供書1部 |
| 提出先 | 申請者の納付すべき国税の徴収を担当する国税局又は税務署 |
| 手続根拠 | 国税徴収法第151条の2 |
公的な資金繰り支援の入口(日本政策金融公庫・信用保証協会など)は公的な資金繰り支援の記事に分けてまとめています。制度の適用可否は個別の事情で決まるため、税務署・税理士にご相談ください。
国税庁 G-9 換価の猶予の申請手続 https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/24200039.htm/e-Gov法令検索 国税徴収法 第151条の2・第152条 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147(いずれも2026年9月12日確認)
7. 申し込む前に契約書で見ておく条項
滞納の有無にかかわらず、売掛金を譲渡する契約では見るところが決まっています。売掛先が支払わなかったときに買い戻しを求められるかどうか(償還請求権)、取引先との基本契約に譲渡を制限する条項が入っていないか(譲渡制限特約)、債権譲渡登記を求められるか(債権譲渡登記)の3点は、契約前に確認できます。条項の読み方は契約書チェックツールにまとめています。なお、会社員の賃金を対象にする「給与ファクタリング」と呼ばれるものは別物で、金融庁が「給与ファクタリングは利用しないでください!」という見出しで注意喚起しています(原文の記事)。
金融庁 ファクタリングの利用に関する注意喚起 https://www.fsa.go.jp/user/factoring.html(2026年9月12日確認)
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よくある質問
税金を滞納していると、ファクタリングは利用できませんか?
当サイトは審査の可否を判断できません。各社の公式サイトの表記としては、ベストファクターが「はい、ご利用いただけます。審査時に信用情報開示請求等は行いません。」、ビートレーディングが「ご利用いただけます。…赤字・税金滞納があったとしても利用可能です。」と書いています(いずれも2026年9月12日に同社サイトで確認)。一方、QuQuMoとPAYTODAYの公式サイトには税金の滞納についての記載はありませんでした。表記は各社のものであり、実際の結果を保証するものではありません。
差し押さえられた売掛金は、ファクタリングで資金化できますか?
国税徴収法62条2項は、債権を差し押えるときは滞納者に対し「債権の取立その他の処分」を禁じなければならないと定めています(2026年9月12日にe-Gov法令検索で確認)。差押えの効力は、債権差押通知書が第三債務者に送達された時に生じます(同条3項)。
差押えの通知は取引先に届くのですか?
62条1項は、債権の差押えは第三債務者に対する債権差押通知書の送達により行うと定めています。第三債務者は売掛金の相手方=取引先にあたります。でんさい(電子記録債権)の場合は62条の2により、第三債務者に加えて電子債権記録機関にも送達されます。
差押えや換価を待ってもらう手続はありますか?
国税徴収法151条の2に基づく「換価の猶予」の申請があります。151条の2が猶予するのは「滞納処分による財産の換価」=差し押さえた財産の売却で、差押えそのものではありません。差押えの猶予・解除は152条2項の規定です(換価の猶予をする場合に必要と認めるときは、差押えにより事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがある財産の差押えを猶予し、又は解除することができる、と定められています)。換価の猶予について国税庁のページによると提出時期は納付すべき国税の納期限から6か月以内、添付書類は財産収支状況書1部(猶予額が100万円を超える場合は財産目録・収支の明細書も各1部)です。いずれも「することができる」規定です。個別の適用は税務署にご確認ください。
e-Gov法令検索 国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第47条・第48条・第62条・第62条の2・第63条・第67条・第151条の2・第152条 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147/国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第37条・第40条 https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000066/厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第86条・第89条 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115/国税庁 G-9 換価の猶予の申請手続 https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/24200039.htm/国税庁 タックスアンサー No.9205 延滞税について https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/osirase/9205.htm/国税庁 国税徴収法基本通達 第62条関係 https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/chosyu/05/01/03/062/01.htm/金融庁 ファクタリングの利用に関する注意喚起 https://www.fsa.go.jp/user/factoring.html/各社公式サイト(本文中に記載)(いずれも2026年9月12日確認)
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