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2社間ファクタリングの見積書に「債権譲渡登記費用」という行があり、その金額が何でできているのか分からない——この記事は、債権譲渡登記そのものに国へ納める税金がいくらかを、法務省の公表資料と条文だけで確認した記録です。先に結論:登録免許税は債権の個数が5,000個以下なら1件につき7,500円、5,000個を超えると15,000円、存続期間を延ばす延長登記は1件3,000円、抹消登記は1件1,000円です(法務省・2026年9月5日確認)。制度そのものは動産・債権譲渡特例法の記事、「売掛先に知られるのか」は民法467条の記事へ。
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1. 登録免許税の額(法務省の表そのまま)
法務省の「第2 登記申請の手続」は、登記の種類を「債権譲渡登記」「質権設定登記」「延長登記」「抹消登記」の4つと示し、種類ごとの登録免許税額を表で公表しています。額は次のとおりです。
| 登記の種類 | 登録免許税額(法務省の表記・2026年9月5日確認) |
|---|---|
| 債権譲渡登記/質権設定登記(債権の個数が5,000個以下) | 1件につき7,500円(※) |
| 債権譲渡登記/質権設定登記(債権の個数が5,000個を超える) | 1件につき15,000円 |
| 延長登記(債権譲渡登記・質権設定登記の存続期間を延長する登記) | 1件につき3,000円(※) |
| 抹消登記(債権譲渡登記・質権設定登記を抹消する登記) | 1件につき1,000円 |
ここでの「1件」は登記の申請1件であって、譲渡する売掛金1本ごとではありません。複数の売掛金を1件の申請にまとめる場合も、その個数が5,000個以下なら税額は7,500円です。
法務省「債権譲渡登記制度について 第2 登記申請の手続」 https://www.moj.go.jp/MINJI/saikenjouto-02.html(2026年9月5日確認)
2. なぜ7,500円なのか=本則15,000円を特例が下げている
この7,500円という額は、法律の本則にそう書いてあるのではありません。本則は15,000円で、租税特別措置法が特例として下げている構造です。原文で並べると、次のようになります。
| 登記の種類 | 登録免許税法 別表第一 第九号(本則) | 租税特別措置法 第84条の6(特例) |
|---|---|---|
| 債権の譲渡又は質権の設定の登記 | 申請件数1件につき一万五千円 | 1件につき七千五百円(債権の個数が五千個以下のものに限る) |
| 存続期間を延長する登記 | 1件につき七千五百円 | 1件につき三千円 |
| 登記の抹消 | 1件につき千円 | 84条の6には掲げられていない |
| (参考)動産の譲渡の登記 | 1件につき一万五千円 | 1件につき七千五百円 |
法務省の表の「(※)租税特別措置法により軽減された額です」という注記は、この関係を指しています。7,500円と3,000円は特例による額で、特例の適用がなければ本則の15,000円・7,500円が基準です。時間が経ってから見積書を見るときは、法務省の表を開き直して現在の額を確かめてください。
e-Gov法令検索 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)別表第一 第九号 https://laws.e-gov.go.jp/law/342AC0000000035/同 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第84条の6 https://laws.e-gov.go.jp/law/332AC0000000026(いずれも2026年9月5日確認)
3. 「債権の個数」が5,000個を超えると税額が2倍になる
租税特別措置法84条の6第1項は、債権の譲渡・質権の設定の登記について「同号の債権又は同号の質権の目的とされた債権の個数が五千個以下であるものに限る」というかっこ書きを置いています。5,000個以下なら7,500円、超えれば特例の外=本則の15,000円、という切り替わり方です。
その「個数」をどう数えるかについては、同条第2項が「前項の債権又は質権の目的とされた債権の個数の算定方法は、財務省令で定める」とだけ定めています。財務省令の細目は当サイトの今回の確認範囲では取得しておらず、数え方の詳細は記載なしとして扱います。
e-Gov法令検索 租税特別措置法 第84条の6第1項・第2項 https://laws.e-gov.go.jp/law/332AC0000000026(2026年9月5日確認)
4. 存続期間=原則50年・債務者不特定を含むと10年
債権譲渡登記には存続期間があります。動産・債権譲渡特例法8条2項5号は、債権譲渡登記ファイルに記録する事項の1つとして「債権譲渡登記の存続期間」を挙げ、同条3項が上限をこう定めています。
| 区分(特例法8条3項) | 超えることができない期間 |
|---|---|
| 譲渡に係る債権の債務者のすべてが特定している場合 | 五十年 |
| 上記以外の場合(債務者が特定していない債権を含む場合) | 十年 |
延長登記の欄には「存続期間は、当初の登記の日から起算されます」という注記があります。延長しても起算点が今日にずれるわけではない、という読み方です。費用の側から見ると、期間を延ばせば3,000円、登記を消せば1,000円が、最初の7,500円とは別に発生し得ることになります。
e-Gov法令検索 動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律(平成十年法律第百四号)第8条第2項・第3項 https://laws.e-gov.go.jp/law/410AC0000000104/法務省「第2 登記申請の手続」添付書面 https://www.moj.go.jp/MINJI/saikenjouto-02.html(いずれも2026年9月5日確認)
5. 登記の後にかかる証明書の手数料
登録免許税とは別に、登記の中身を証明書で確かめるときの登記手数料があります。特例法21条は、証明書の交付を請求する者は政令で定める額の手数料を納めなければならず、その納付は収入印紙によると定めています。法務省が公表している額(窓口又は送付による請求の場合)は次のとおりです。
| 証明書の種類 | 請求できる人 | 登記手数料(窓口又は送付による請求) |
|---|---|---|
| 登記事項証明書(個別事項証明=1個の債権ごとに証明したもの) | 当事者・利害関係人等のみ | 債権1個につき500円 |
| 登記事項証明書(一括証明=2個以上の債権を一括して証明したもの) | 同上 | 500円+債権の個数が1個を超えるごとに、その超える個数に200円を乗じた額(法務省の例=債権2個で700円、5個で1,300円) |
| 登記事項概要証明書 | 何人も(特例法11条1項) | 1通300円 |
| 概要記録事項証明書 | 何人も(特例法13条1項) | 1通300円(1通の枚数が50枚を超える場合は、その超える枚数50枚までごとに100円を加算した額) |
ここまでの額は窓口又は送付(郵送)による請求の場合です。法務省はオンラインによる証明書交付請求の手数料を別ページで公表しており、「窓口又は郵送での請求に比べて手数料が安くなります」と明記しています。同ページの表では、登記事項概要証明書は1通250円(オンライン交付・窓口交付の場合/郵送交付は1通300円)、概要記録事項証明書は1通250円(窓口交付の場合/郵送交付は1通270円・オンライン交付は「-」)、登記事項証明書は1通450円(オンライン交付・窓口交付の場合/郵送交付は1通500円。一括証明は債権の個数が1個を超える場合、その超える個数ごとに200円を加算)とされています。オンライン請求で郵送交付を受ける場合の手数料には送付に要する費用が含まれるとの注記があり、法定代理人による請求など制限事項に該当するときはオンライン請求はできない、とも同ページに書かれています(2026年9月6日確認)。
請求できる人の線引きは特例法11条です。1項=概要を証明した書面(登記事項概要証明書)は「何人も」請求できる、2項=個々の債権の中身まで載る登記事項証明書は譲渡人・譲受人・債務者その他の利害関係人等に限られる。自社に登記が付いているかを確かめる手順は登記の確認方法の記事へ。
法務省「債権譲渡登記制度について 第3 証明書交付請求の手続」(手数料一覧) https://www.moj.go.jp/MINJI/saikenjouto-03.html/e-Gov法令検索 特例法第11条・第21条 https://laws.e-gov.go.jp/law/410AC0000000104(いずれも2026年9月5日確認)/同「債権譲渡登記制度について 第4 オンラインによる手続 2 証明書交付請求の手続」(オンライン請求の手数料一覧) https://www.moj.go.jp/MINJI/saikenjouto-05.html(2026年9月6日確認)
6. お金以外のコスト=場所・受付時間・処理時間
債権譲渡登記の提出先は、法務局ならどこでもよいわけではなく1か所です。
- 提出先=債権譲渡登記所=東京法務局民事行政部債権登録課(〒165-8780 東京都中野区野方一丁目34番1号/東京法務局中野庁舎の3階)。不動産登記・商業登記の東京法務局本局とは場所が異なる旨が明記されています。
- 申請人=判決による場合を除き、譲渡人(質権設定者)と譲受人(質権者)が共同して申請します。代理人による申請も認められています。
- 窓口の受付時間=午前8時30分から午後5時15分まで。土曜・日曜・国民の祝日等の休日、年末年始(12月29日〜1月3日)は受付を行っていません。
- 受付日=窓口申請はその日に受付。送付申請は、登記所が書類を受け取った日の後の最初の執務日に受付されます。
- 処理時間=受け付けられた申請は原則としてその日に処理完了。標準的な内容であれば1件当たり窓口受付時からおおむね30分〜1時間程度が目安と書かれています。
- 混みやすい日=月末、特に3月・6月・9月・12月の月末は申請が集中するため、通常日より時間がかかる場合があるとされています。
登記を伴う契約では、この受付時間と執務日の扱いが入金スケジュールに効いてきます。申込から入金までの段取りはオンライン完結の流れの記事へ。
法務省「債権譲渡登記制度について 第2 登記申請の手続」 https://www.moj.go.jp/MINJI/saikenjouto-02.html(2026年9月5日確認)
7. 見積書で確認する4点(司法書士報酬は「記載なし」)
ここまでの額は国に納める税金と手数料だけで、見積書の「登記費用」には代理を依頼した専門家の報酬が乗ることがあります。確認する順番は4つです。
- 内訳が「登録免許税」と「報酬」に分かれているか。分かれていれば、税額の部分は本記事の表と突き合わせられます。
- 司法書士等に依頼する場合の報酬額=当サイトが確認した法務省の上記2ページには、報酬に関する記載がありません(記載なし)。事務所ごとに異なるため、金額は見積書そのもので確認してください。当サイトは相場を示しません。
- 抹消登記の費用(1件1,000円+依頼した場合の報酬)を誰が負担するか。入金・精算が終わった後に登記を消す段取りと負担者が、契約書のどこに書かれているか。条項の読み方は契約書チェック項目の記事へ。
- 存続期間が何年で設定されるか。上限は50年(債務者不特定を含む場合10年)ですが、実際に何年で登記するかは申請内容の問題です。契約後に手元へ残す書類は契約後の書類の記事にまとめています。
複数社の見積を並べるときは、手数料率だけでなくこうした費用行も同じ土俵に載せます。比べ方は相見積りの5項目、率を期間で割り戻す計算は年率換算ツールへ。
法務省「債権譲渡登記制度について 第2 登記申請の手続」 https://www.moj.go.jp/MINJI/saikenjouto-02.html/同「第3 証明書交付請求の手続」 https://www.moj.go.jp/MINJI/saikenjouto-03.html(いずれも2026年9月5日確認/司法書士報酬の記載はこの2ページにありません)
8. 「登記を設定しない」型との比べ方
2社間ファクタリングには、債権譲渡登記を留保する(設定しない)運用を公式サイトに明記しているサービスもあります。たとえばQuQuMoの公式サイトには「債権譲渡登記の設定不要」という表記があります(運営=株式会社アクティブサポート・2026年9月5日に同社サイトで確認)。これは同社サイトの表記であり、手数料・スピード・登記の要否を当サイトが保証するものではありません。
登記を設定しない型では、本記事で見た登録免許税7,500円は発生しません。ただし登記の要否と手数料の高低は別の話で、実際の金額は見積書と契約書の条項で確認する順番になります。償還請求権の有無はリコースの記事、2社間と3社間の構造差は比較記事、個社の確認記録はQuQuMoの運営会社確認記事へ。
QuQuMo公式サイト(運営=株式会社アクティブサポート) https://ququmo.com/(2026年9月5日確認)/e-Gov法令検索 租税特別措置法 第84条の6 https://laws.e-gov.go.jp/law/332AC0000000026(2026年9月5日確認)
3つの確認を済ませたうえで、条件を見てみる
手数料と入金スピードは、債権の内容と審査によって変わります。実際にいくらになるかは、見積を取らないと分かりません。オンライン完結型の一例として、株式会社アクティブサポート(法人番号 9013301041158)が運営する「QuQuMo(ククモ)」の無料見積です。
無料で見積を取る(QuQuMo公式サイト)オンライン完結・法人/個人事業主が対象本サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、上記リンク経由での申込により当サイトが報酬を受け取る場合があります。手数料・入金スピードの表記は同社サイトに書かれている内容で、当サイトが保証するものではありません。申込は見積の取得までで、その場で契約が成立するものではありません。
よくある質問
債権譲渡登記の登録免許税はいくらですか?
法務省の公表表によると、債権譲渡登記・質権設定登記は1件につき、債権の個数が5,000個以下の場合7,500円、5,000個を超える場合15,000円です。延長登記は1件3,000円、抹消登記は1件1,000円です(2026年9月5日確認)。7,500円と3,000円は租税特別措置法により軽減された額であると同ページに注記されています。
登記の存続期間は何年ですか?
動産・債権譲渡特例法8条3項は、譲渡に係る債権の債務者のすべてが特定している場合は五十年、それ以外の場合は十年を超えることができないと定めています。ただし、その期間を超えて存続期間を定めるべき特別の事由がある場合はこの限りでない、というただし書きが付いています。法務省の添付書面一覧では、この期間を超えるときは特別の事由があることを証する書面が要るとされています。
自分の会社に登記が付いているかを調べる費用はいくらですか?
窓口又は送付による請求の場合、登記事項概要証明書は1通300円、概要記録事項証明書は1通300円(1通の枚数が50枚を超える場合は超える枚数50枚までごとに100円加算)と法務省が公表しています。オンラインによる請求には、これより低い額が別に公表されています(登記事項概要証明書は1通250円=オンライン交付・窓口交付の場合/郵送交付は1通300円・2026年9月6日確認)。登記事項概要証明書は特例法11条1項により「何人も」請求できます。窓口・送付による請求では収入印紙を貼付し、送付請求では返信用の封筒と切手が別途必要です(2026年9月5日確認)。
司法書士に頼むといくらかかりますか?
報酬額は、当サイトが確認した法務省の該当ページには記載がありません(記載なし)。事務所ごとに異なるため、依頼先または見積書で確認してください。本記事で示した額は国に納める登録免許税と登記手数料のみです。
法務省「債権譲渡登記制度について 第2 登記申請の手続」 https://www.moj.go.jp/MINJI/saikenjouto-02.html/同「第3 証明書交付請求の手続」 https://www.moj.go.jp/MINJI/saikenjouto-03.html/e-Gov法令検索 登録免許税法 別表第一第九号 https://laws.e-gov.go.jp/law/342AC0000000035/同 租税特別措置法 第84条の6 https://laws.e-gov.go.jp/law/332AC0000000026/同 動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律 第8条・第11条・第21条 https://laws.e-gov.go.jp/law/410AC0000000104/QuQuMo公式サイト https://ququmo.com/(いずれも2026年9月5日確認)/法務省「第4 オンラインによる手続 2 証明書交付請求の手続」 https://www.moj.go.jp/MINJI/saikenjouto-05.html(2026年9月6日確認)
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