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確定日付とは|債権譲渡の通知・承諾書に確定日付が要る理由(民法467条2項)と、公証役場・内容証明郵便での付け方(民法施行法5条)

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契約前チェック|確定日付とは

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3社間ファクタリングや債権譲渡担保の場面で、「通知書に確定日付をもらってきてください」と言われることがあります。この記事は、確定日付とは何か・なぜ債権譲渡で求められるのか・どこでいくらで付けられるのかを、条文(民法・民法施行法・郵便法・公証人手数料令)と、日本公証人連合会・日本郵便の公式サイトの表記だけで確認した記録です。先に結論を3行で書くと、①確定日付が証明するのは「その日にその文書が存在したこと」だけ、②債権譲渡では第三者対抗要件として民法467条2項が求めている、③紙は公証役場で1通700円、内容証明郵便は加算料金480円です。

1. 確定日付とは何か(証明する範囲は「存在した日」まで)

日本公証人連合会は、確定日付を「文字どおり、変更のできない確定した日付のことであり、その日にその証書(文書)が存在していたことを証明するもの」と説明しています。公証役場で付与される確定日付とは、公証人が私署証書に日付のある印章(確定日付印)を押捺した場合のその日付を指す、とも書かれています(同会「10 確定日付・電子確定日付」Q1)。

大事なのは証明される範囲です。同ページのQ2は、確定日付の付与について「文書の成立や内容の真実性については何ら公証するものではありません」と明記し、記載事項を公証する「公正証書」や、署名押印が真実になされたことを公証する「認証」とは異なると説明しています。確定日付は「いつ存在したか」の物差しであって、書いてある内容の保証ではありません。

日本公証人連合会「10 確定日付・電子確定日付」 https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow10(2026年9月5日確認)

2. なぜ債権譲渡の通知・承諾書に確定日付が要るのか(民法467条)

根拠は民法467条です。e-Gov法令検索で開くと、2段構えになっています(2026年9月5日確認)。

項条文(民法・e-Gov法令検索)効き先
467条1項「債権の譲渡(現に発生していない債権の譲渡を含む。)は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。」売掛先(債務者)に主張するための要件
467条2項「前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。」売掛先以外の第三者(二重譲渡の相手・差押債権者など)に主張するための要件
1項は「通知か承諾」、2項は「その通知・承諾を確定日付のある証書で」。確定日付が効くのは2項=債務者以外の第三者に対する場面です(当サイトによる条文の整理)。

同じ売掛金が二重に譲渡された、あるいは差押えを受けた——という場面で優先関係を決めるための道具立てが2項です。逆に言えば、確定日付は「売掛先が支払ってくれること」を保証しません。売掛先が譲渡人に対して持っていた事由は、468条1項で「対抗要件具備時までに譲渡人に対して生じた事由をもって譲受人に対抗することができる」とされています。契約の型そのものの違いは2社間と3社間の違いの記事、条項の見方は契約書チェックの記事で整理しています。

なお債権質についても民法364条が「第四百六十七条の規定に従い」と定め、譲渡制限の特約については民法466条2項が「譲渡制限の意思表示をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない」と定めています(譲渡制限特約の整理)。

e-Gov法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号)第364条・第466条・第467条・第468条 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089(2026年9月5日確認)

3. 「確定日付のある証書」になるのは6つの場合(民法施行法5条)

何をすれば「確定日付のある証書」になるのかを定めているのが民法施行法(明治三十一年法律第十一号)5条です。1項の柱書は文語体で「証書ハ左ノ場合ニ限リ確定日付アルモノトス」=限定列挙です。以下は原文の要旨を当サイトで現代語に言い換えた表です(原文はe-Gov法令検索でご確認ください)。

号当サイトによる要旨(民法施行法5条1項)
1号公正証書のときは、その日付が確定日付になる
2号登記所または公証人役場で私署証書に日付のある印章を押したときは、その印章の日付が確定日付になる
3号私署証書の署名者のうちに死亡した者があるときは、その死亡の日から確定日付があるものとする
4号確定日付のある証書の中で私署証書を引用したときは、その証書の日付が引用された私署証書の確定日付になる
5号官庁または公署が私署証書にある事項を記入して日付を記載したときは、その日付が確定日付になる
6号郵便認証司が内容証明の取扱いに係る認証をしたときは、郵便法58条1号の規定に従って記載した日付が確定日付になる
実務で選べるのは2号(公証役場)と6号(内容証明郵便)です。3号・4号・5号は、狙って作れる手続ではありません。

5条2項・3項は、指定公証人が法務省令の定める方法で電磁的記録に「日付情報」を付したときは、その電磁的記録に記録された情報を確定日付のある証書とみなす(公務員が職務上作成した電磁的記録以外のものに限る)、その日付情報の日付を確定日付とすると定めています。これが電子確定日付の根拠です。

e-Gov法令検索 民法施行法(明治三十一年法律第十一号)第5条 https://laws.e-gov.go.jp/law/131AC0000000011/同 郵便法(昭和二十二年法律第百六十五号)第58条・第59条 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000165(いずれも2026年9月5日確認)

4. 公証役場で付ける(1通700円・日付は請求当日)

民法施行法5条1項2号のルートです。日本公証人連合会の説明(2026年9月5日確認)から要点を書き出します。

  • 手数料は「一件について700円」(同会Q5)。同会の手数料ページも「確定日付の付与=1通につき700円(手数料令37条)」と表記し、公証人手数料令37条は「私署証書に確定日付を付することについての手数料の額は、七百円とする」と定めています。
  • 日付は請求当日。「確定日付の年月日は、請求当日の年月日となります。請求日の翌日の確定日付印を求めることはできません」(Q4)=さかのぼった日付も先の日付も付けられません。
  • 本人が行かなくてもよい。「付与の請求は、作成者自身でする必要はなく、代理人または使者によってすることもできます。この場合でも、委任状等や印鑑証明書等の提出は不要で、運転免許証等の提示も必要ありません」(Q4)。
  • 対象は私文書だけ(Q3)。登記事項証明書のような公文書に公証人は確定日付を付けられません。コピー自体にも付与できず、作成者の署名または記名押印があること、作成年月日欄が空欄なら棒線を引くか空欄である旨を付記すること、後日の記入を前提とする未完成の文書はそのままでは付与できないことも同Q3に挙げられています。

近くの公証役場は、日本公証人連合会の「公証役場一覧」から都道府県別に探せます(同ページの案内・2026年9月5日確認)。

日本公証人連合会「10 確定日付・電子確定日付」 https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow10/同「Q9. その他確定日付等の手数料」 https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow12/12-q9/同「公証役場一覧」 https://www.koshonin.gr.jp/list/e-Gov法令検索 公証人手数料令(平成五年政令第二百二十四号)第37条 https://laws.e-gov.go.jp/law/405CO0000000224(いずれも2026年9月5日確認)

5. 電子確定日付(PDF等に日付情報を付ける・700円)

民法施行法5条2項・3項に対応する手続です。日本公証人連合会Q6は、電子確定日付の付与を「電磁的記録(PDF、XML、TXT形式で作成された情報)を対象として、私文書の確定日付の付与と同様に、日付情報を付与するもの」と説明し、「公文書に該当する電磁的記録には日付情報を付与することはできません」「電子確定日付付与の効力は、Q2の確定日付付与の効力と同様です」「保存を請求することにより、後日、同一情報の請求が可能となります」とも書いています。

手数料は同会の手数料ページで「日付情報の付与(電子確定日付)=700円(手数料令37条の2)」「電磁的記録の保存=300円(手数料令41条の2)」と表記され、公証人手数料令37条の2も「電磁的記録に記録された情報に日付情報を付することについての手数料の額は、七百円とする」と定めています。契約書そのものを電子で締結する場合の論点は電子契約の記事に分けてあります。

日本公証人連合会「10 確定日付・電子確定日付」Q6 https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow10/同「Q9. その他確定日付等の手数料」 https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow12/12-q9/e-Gov法令検索 公証人手数料令第37条の2 https://laws.e-gov.go.jp/law/405CO0000000224(いずれも2026年9月5日確認)

6. 内容証明郵便で付ける(加算料金480円・窓口とe内容証明)

民法施行法5条1項6号のルートです。6号が引く郵便法58条1号は、郵便認証司の職務として「内容証明の取扱いに係る認証」を挙げ、その内容を「…必要な手続が適正に行われたことを確認し、当該郵便物の内容である文書に当該郵便物が差し出された年月日を記載すること」と定義しています(郵便認証司は総務大臣が任命・郵便法59条1項)。この「差し出された年月日」が確定日付になります。日本郵便の公式サイトの表記(2026年9月5日確認)を窓口とe内容証明で並べます。

郵便局の窓口e内容証明(電子内容証明)
料金内容証明の加算料金480円(2枚目以降は290円増)。ほかに郵便料金がかかり、一般書留とする必要がある郵便料金110円+電子郵便料金19円(1枚目)+内容証明料金382円(1枚目)+謄本送付料金304円(通常送付)+一般書留料金480円=1枚・通常送付の例で合計1,295円
1枚の文字数1枚当たり520文字1枚あたり1,584文字が目安(Word標準設定時:10.5pt明朝体、行間1行、文字間隔標準)
受付「差し出すことのできる郵便局は、集配郵便局および支社が指定した郵便局」=すべての郵便局では差し出せない「インターネットを通じて、内容証明郵便を24時間発送できるサービス」
出すもの内容文書・その謄本2通・差出人と受取人の住所氏名を記載した封筒・加算料金を含む郵便料金Wordファイルで作成した内容証明文書をアップロード
日付差し出した日「「差出」ボタンを押した時点の日付で、内容証明文書に日付が印字されます」
あとで見る差出人は差し出した日から5年以内に限り、保存された謄本の閲覧を請求できる(閲覧料金480円)謄本が差出人あてに送付される
金額はいずれも日本郵便の公式サイトの表記(2026年9月5日確認)です。料金は改定されることがあるため、差し出す前に同社サイトで最新の額をご確認ください。

証明される範囲もあわせて押さえておくところです。日本郵便は内容証明を「いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出されたかということを、差出人が作成した謄本によって当社が証明する制度」と説明し、「当社が証明するものは内容文書の存在であり、文書の内容が真実であるかどうかを証明するものではありません」と明記しています。相手に届いたことの証明は別のオプションサービスで、同社は内容証明と併せて利用できるものとして「配達証明」を挙げています(e内容証明の料金表では配達証明350円・速達300円)。

日本郵便「内容証明」 https://www.post.japanpost.jp/service/fuka_service/syomei/index.html/同「e内容証明(電子内容証明)」 https://www.post.japanpost.jp/service/enaiyo/index.html/e-Gov法令検索 郵便法第58条・第59条 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000165(いずれも2026年9月5日確認)

7. もうひとつの道=債権譲渡登記(登記の日付が確定日付になる)

通知・承諾に確定日付を付ける代わりに、登記で第三者対抗要件をそろえる方法もあります。動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律(平成十年法律第百四号)4条1項は、法人が金銭債権を譲渡した場合に債権譲渡登記ファイルへ譲渡の登記がされたときは、債務者以外の第三者については民法467条の確定日付のある証書による通知があったものとみなし、「当該登記の日付をもって確定日付とする」と定めています。

ただし同条2項は、債務者本人に対しては別途、譲渡人または譲受人が登記事項証明書を交付して通知するか、債務者が承諾することを求めています。登記をしただけでは売掛先に対する関係は動かないという建て付けです。譲渡人が法人に限られる点を含め手続の中身は債権譲渡登記の記事、契約後に受け取る書類の確認は契約後に受け取る書類の記事にまとめています。登録免許税・登記手数料の額は本記事の実査では取得していないため、ここには記載しません。

e-Gov法令検索 動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律(平成十年法律第百四号)第4条 https://laws.e-gov.go.jp/law/410AC0000000104(2026年9月5日確認)

8. 契約の型ごとに、確定日付が出てくる場面

ここまでをファクタリングの契約の型に当てはめます。売掛先へ通知し、または承諾をもらう型(3社間)では、その通知書・承諾書に確定日付を付けるかどうかが民法467条2項の話になります。一方、売掛先に通知しない型(2社間)を掲げるサービスでは、通知そのものを行わない旨がサイトに表記されていることがあります。

たとえば株式会社アクティブサポートが運営する「QuQuMo(ククモ)」は、公式サイトで「当社との直接の2社間ファクタリングなので、取引先への通知や登記は一切不要」「通知なしで安心/取引先に通知なし/安心の2社間契約」「債権譲渡登記の設定不要」と表記しています。手数料は「業界トップクラスの低コスト。最大でも1%~」、入金は「申込から入金まで最速2時間」、対象は「法人様・個人事業主様」との表記です(いずれも同社サイトの表記・2026年9月5日確認)。これらは同社サイトに書かれている内容であり、当サイトが保証するものではありません。実際の手数料・スピード・契約の型は、見積と契約書で確かめてください。

通知しない型でも、契約書側に後から通知・登記を行える条項が置かれていることがあります。償還請求権の有無(償還請求権の記事)とあわせて、署名の前に読んでおくところです。

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QuQuMo公式サイト(運営=株式会社アクティブサポート) https://ququmo.net/(2026年9月5日確認)

よくある質問

確定日付をもらえば、その書類の内容が正しいと証明されますか?

いいえ。日本公証人連合会は確定日付の付与について「文書の成立や内容の真実性については何ら公証するものではありません」と説明しています(2026年9月5日確認)。証明されるのは、その文書がその日に存在していたことまでです。

確定日付はいくらかかりますか?

公証役場での付与は日本公証人連合会の表記で「一件について700円」、電子確定日付(日付情報の付与)も700円です。内容証明郵便は、日本郵便の表記で加算料金480円(2枚目以降は290円増)に加えて郵便料金がかかり、一般書留とする必要があります(いずれも2026年9月5日確認)。

昨日の日付で確定日付をもらえますか?

できません。日本公証人連合会は「確定日付の年月日は、請求当日の年月日となります。請求日の翌日の確定日付印を求めることはできません」と説明しています。なお付与の請求は代理人または使者によることもできる、とも書かれています(いずれも2026年9月5日確認)。

債権譲渡登記をすれば、売掛先への通知はしなくてよいのですか?

登記は「債務者以外の第三者」に対する関係で確定日付のある証書による通知があったものとみなされる制度です(特例法4条1項)。債務者本人に対しては、同条2項が登記事項証明書を交付しての通知または債務者の承諾を求めています(2026年9月5日確認)。


e-Gov法令検索 民法 第364条・第466条・第467条・第468条 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089/民法施行法 第5条 https://laws.e-gov.go.jp/law/131AC0000000011/郵便法 第58条・第59条 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000165/公証人手数料令 第37条・第37条の2 https://laws.e-gov.go.jp/law/405CO0000000224/動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律 第4条 https://laws.e-gov.go.jp/law/410AC0000000104/日本公証人連合会「10 確定日付・電子確定日付」 https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow10・「Q9. その他確定日付等の手数料」 https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow12/12-q9・「公証役場一覧」 https://www.koshonin.gr.jp/list/日本郵便「内容証明」 https://www.post.japanpost.jp/service/fuka_service/syomei/index.html・「e内容証明」 https://www.post.japanpost.jp/service/enaiyo/index.html/QuQuMo公式サイト https://ququmo.net/(いずれも2026年9月5日確認)

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あさひともる
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最終更新:2026年9月5日/このページは公表されている一次情報(法令の条文・日本公証人連合会および日本郵便の公式サイト・各社公式サイトの表記)のみを根拠に作成しています。確認できなかった項目は「記載なし」と明記し、推測で補っていません。個別の取引にどの手続が要るかの判断はできません。本記事は特定の事業者を推奨するものではなく、順位付けも行っていません。